ベンチプレスにフォームローラーを使うコツ|部位別の当て方と選び方

General

この記事のポイント

  • ベンチプレスの前にフォームローラーで胸・肩・背中まわりをほぐすと、肩甲骨や胸椎が動きやすくなり、フォームを取りやすくなる
  • 当てる部位は大胸筋・脇の下(広背筋)・肩の前側・背中(胸椎)が基本。各部位60〜120秒を目安にゆっくり転がす
  • 初心者は凹凸ひかえめ・標準サイズ(長さ30cm前後)から始めると体になじみやすい
  • グリッド構造・ソフトタイプ・振動式(電動)など種類が豊富で、用途や好みで選べる
  • トレーニング後のクールダウンに使うのもおすすめ

ベンチプレスでフォームローラーが注目される理由

ベンチプレスは上半身のプッシュ系種目の代表格ですが、扱う重量が伸びてくるほど「フォームの安定」がカギになります。バーをしっかり下ろして押し切るためには、肩関節・肩甲骨・胸椎(背骨の胸まわり)の可動性が欠かせません。ここが硬いままだと、胸を張る動作や肩甲骨を寄せる動作がうまく作れず、窮屈なフォームになりがちです。

そこで取り入れたいのがフォームローラーです。フォームローラーは筒状のエクササイズ用具で、体重をかけて筋肉や筋膜にやさしく圧をかけながら転がして使います。いわゆる「筋膜リリース」に使われる定番アイテムで、ベンチプレスの前のウォームアップとして上半身を中心にほぐしておくと、可動域を広げやすくなり、動作がスムーズになると評価されています。

大胸筋が発達してくると胸まわりの緊張が強くなり、肩が前方に引っ張られて巻き肩のような姿勢になりやすいとされています。トレーニング前にほぐしておくことで、胸を開いた状態を作りやすくなります。

ポイントは「ゴリゴリ押しつぶす」ことではありません。心地よい圧を感じる程度に体重を乗せ、血流をうながすイメージで使うのがコツです。痛みを我慢して長時間当て続けるのは逆効果になりやすいので、強さは自分で調整しましょう。

ベンチプレス前にフォームローラーでほぐしたい部位

その日のトレーニングで使う筋群を優先するのが基本です。ベンチプレスなら、上半身の中でも次の部位を中心に当てていきます。

部位 当て方の目安 ねらい
大胸筋(胸) うつ伏せ気味に胸の外側〜肩の前側へローラーを当て、体を小さく動かす 胸を開きやすくする
広背筋(脇の下) 横向きで脇の下にローラーを置き、上下にゆっくり転がす 肩甲骨まわりを動かしやすくする
背中(胸椎) 仰向けで背中の中央に横向きに当て、軽く反るように動かす 胸椎を伸ばしやすくする
肩の前側 うつ伏せで肩の前面に軽く当て、圧は弱めに 肩の動きをならす

胸から肩の前面に「つっぱる感覚」がある人ほど、胸まわりのほぐしが効果的だと言われています。ベンチプレスや腕立て伏せなど、押す動作の前に取り入れてみてください。

一箇所あたりは60〜120秒を目安にします。すべての部位を完璧にやろうとすると時間がかかるので、その日に張りを感じる箇所を優先的にローテーションするのが現実的です。

ベンチプレス前のフォームローラーの使い方とコツ

基本の流れはシンプルです。ケアしたい部位にローラーを置き、ゆっくり体重をかけて、ローラーの上を前後・左右に転がします。胸まわりであれば、うつ伏せ気味になって胸から肩にローラーを当て、体を小さく動かして圧をかけるイメージです。

  1. ローラーを当てたい部位の下に置く
  2. 少しずつ体重を乗せ、心地よい圧に調整する
  3. 1秒に数cm程度のゆっくりペースで転がす
  4. 特に張りを感じる場所では数秒静止して圧をかける
  5. 呼吸を止めず、力を抜いてリラックスする

速く転がしすぎないのがコツです。コロコロと往復させるだけだと圧が届きにくいので、ゆっくり動かして筋肉になじませましょう。

ウォームアップとして使う場合は、軽めのローリングで十分です。トレーニング前に強く押し込みすぎると、かえって力が入りにくくなることもあります。血流をうながす程度にとどめ、そのあと軽いダイナミックストレッチや空バー・軽い重量でのウォームアップセットにつなげると、スムーズに本番セットへ移れます。

大胸筋や小胸筋をほぐしてからストレッチを行うと伸びやすくなるとされています。ローラー→ストレッチ→軽いセットの順がおすすめの流れです。

フォームローラーの種類と選び方

フォームローラーは見た目が似ていても、表面の凹凸・硬さ・サイズ・電動かどうかで使い心地が大きく変わります。ベンチプレス前のケアに使うなら、次のポイントを押さえて選ぶと失敗しにくいです。

サイズ(長さ・直径)

全身を幅広くほぐしたいなら、長さ30cm前後・直径15cm前後の標準サイズが扱いやすく、背中に当てても安定します。脇の下や二の腕など細かい部位を集中して当てたい場合は、直径10cm前後の細めタイプも便利です。

硬さ・凹凸

凹凸が鋭いものは刺激が強く、慣れていないと痛く感じやすいです。初心者は凹凸ひかえめで丸みのあるタイプを選ぶと、体を痛めずに使い続けやすいと評価されています。表面を押して少しへこむくらいの硬さが目安です。

多くの製品は表面に耐久性のあるEVA素材、芯にABS樹脂などの硬い素材を使い、体重をかけても変形しにくい設計になっています。長く使うなら芯のしっかりした製品が安心です。

電動(振動式)かどうか

静かに手軽に使えるオーソドックスな非電動タイプと、振動で刺激を伝える電動(振動式)タイプがあります。電動は細かい振動が加わるぶん効率よくケアしやすく、時間がない人やマッサージ用途も兼ねたい人に向いています。一方で価格は上がり、充電が必要になります。

おすすめのフォームローラー

ここからは、オンラインショップで手に入りやすい代表的なタイプを紹介します。自分のレベルや使い方に合わせて選んでみてください。

グリッド構造のスタンダードフォームローラー

表面に突起・凹凸・平らな面を組み合わせたグリッド構造のモデルは、当てる場所によって刺激を変えられるのが魅力です。指先で押すような部分、手のひらで押すような平らな部分があり、胸や背中など部位に応じて使い分けられます。標準サイズで全身に使いやすく、最初の1本として人気があります。

グリッドタイプは「やさしめの刺激でケアしたい人」にも向くと評価されており、ベンチプレス前の胸まわりのウォームアップにも使いやすい万能タイプです。

凹凸ひかえめのソフトタイプフォームローラー

刺激が強いものが苦手な人や、これからフォームローラーを始める人には凹凸ひかえめのソフトタイプが向いています。丸みのある表面で体になじみやすく、痛みを感じにくいので、毎日のルーティンに取り入れやすいのがメリットです。胸や肩の前側など、デリケートな部位にも当てやすいタイプです。

振動式(電動)フォームローラー

充電式で振動機能を備えたモデルは、細かな振動を加えながらケアできます。振動の強さを段階的に切り替えられる製品も多く、トレーニング前後で使い分けられます。短時間で効率よく上半身をほぐしたい人や、トレーニング道具とマッサージ機器を兼ねたい人に向いています。

振動式は動作音が出るため、使う時間帯や環境に配慮しましょう。まずは弱い振動から試し、心地よい強さに合わせるのがコツです。

コンパクトなミニフォームローラー

直径が小さめのミニサイズは、脇の下・二の腕・肩の前側など狭い部位にピンポイントで当てやすいのが特長です。軽くて持ち運びやすいので、ジムバッグに入れておき、ベンチプレス前のサッとしたウォームアップ用に使うのもおすすめです。標準サイズと2本を使い分けると、ほぐせる部位の幅が広がります。

ベンチプレス後のフォームローラー活用

フォームローラーはトレーニング前だけでなく、トレーニング後のクールダウンにも活躍します。ベンチプレスでしっかり追い込んだあとは、胸や肩、腕の前側に張りが出やすいもの。ゆっくりローラーを当てて血流をうながすことで、心地よくケアできます。

トレーニング後は前よりも筋肉が温まっているぶん、当てたときの感覚が変わります。強く押しすぎず、リラックスして転がすのがポイントです。

前後どちらで使うかは目的しだいです。前は動きを作るため、後は落ち着かせるためと役割を分けて考えると、取り入れ方がイメージしやすくなります。

フォームローラーを使うときの注意点

手軽に使える道具ですが、いくつか気をつけたいポイントがあります。

  • 骨や関節の上には乗せない。筋肉のある部分に当てるのが基本です
  • 痛みを我慢して長く押し続けない。心地よい範囲にとどめる
  • 1部位を当てすぎず、60〜120秒程度を目安にする
  • 呼吸を止めず、力を抜いて行う
  • 体に違和感や不調があるときは無理をしない

フォームローラーはあくまでトレーニングを支えるツールです。フォームそのものを見直したり、軽い重量でウォームアップセットを重ねたりすることと組み合わせて、トータルでベンチプレスの質を高めていきましょう。

最初は「どのくらいの強さが心地よいか」が分かりにくいかもしれませんが、何度か使ううちに自分に合った圧やペースが分かってきます。まずは胸・脇の下・背中の3点から、無理なく始めてみてください。

まとめ

ベンチプレスのフォームは、肩関節・肩甲骨・胸椎の動きやすさに大きく左右されます。トレーニング前にフォームローラーで胸・脇の下・背中・肩の前側をほぐしておくと、胸を張りやすくなり、動作をスムーズに作りやすくなります。強く押しつぶすのではなく、心地よい圧でゆっくり転がすのがコツです。

ベンチプレスにフォームローラーを使うコツと選び方をまとめました

製品は、まず1本選ぶならグリッド構造のスタンダードタイプ、刺激が苦手ならソフトタイプ、効率重視なら振動式(電動)、狭い部位用にミニサイズ、と用途で選び分けるのがおすすめです。サイズは長さ30cm前後・直径15cm前後の標準型が扱いやすく、初心者は凹凸ひかえめから始めると安心です。トレーニング前のウォームアップとトレーニング後のクールダウンの両方で活用し、ベンチプレスの土台となる体の動きを整えていきましょう。